影見（かがみ） 槍の峰に降る星空を眺める。 星屑が落ちてきそうな程、空が近い・・・ 額にかかる黒髪をそっと指で梳き分けながら、空を仰いだ。 先に部屋に戻ったのはかごめの方だった。 犬夜叉はのぼせそうになったかごめのために何か冷たいものをと外の自販機に買いに いってくれた。 犬夜叉が一人で自販機で飲み物を買えるようになるなんて・・・ おそらく今頃は自販機の前で戸惑っているであろう少年の表情と自分を求めるときの 激しいほどの大人の表情・・・ その対比が可笑しくて、「ふっ、」と笑いが込み上げてきた。 （いつもはあんなにも男らしく大人の顔で私を抱くくせに・・・」 先程の情事が蘇り、また熱くなる想いを冷たい夜風に晒そうと、窓から外を眺めた。 木立の中に仄白い湯煙が漂うのが見えた。 「何、見てんだー？」 「えっ・・・」 心に描いた映像を見透かされたようで、頬がほんのり染まるのが自分でもわかった・ ・・ 後ろから優しく腕を廻された。 肩から包み込む彼の腕はいつも優しい・・・ 私はこの温かい腕にいつも安心をもらっていた・・・ 「こっち、こいよ・・・」 否、と言わせない強引な手に引かれたかごめは、既に整えられた床に連れて行かれる ものだと思った。 が、しかし・・・ 彼は月明かりに白く浮かぶ鏡の前にかごめを立たせた。 「えっ、何・・・？」 鏡に向かったかごめを背中から抱き締めたまま、浴衣の袷から右手を忍ばせた・・・ 「あ、・・・、やだ、さっきしたばかりなのに・・・」 「夜は長えっていっただろ？」 肩袖を通しただけの浴衣から覗く白い肩は雅な色香を放っていた・・・ 「だから・・・お前が、そんなだから・・・ 俺はいつだって、我慢できなくなっちまう・・・」 そう言い放つと少々荒々しく、一気に袷の胸元まで露にした。 「きゃっ、・・・ぁん・・・」 一瞬にして、鏡に映った己の成熟した身体に、かごめは恥ずかしくて、その手で胸を 覆いたかったが、ずり落とされた襟先が腕の自由を抑えていてままならない。 ちょうど己の浴衣で縛られたような形になっていた。 犬夜叉は両手でその豊かな胸を鷲掴みにして、首筋から唇を這わせていった。 露にされた胸を隠すことも忘れて、かごめは犬夜叉の唇を求めた。 「はぁーー」 互いを貪るように堪能したあと、唇が離されたと同時に息を整えた。 『こんな自分はどんな風に映っているのだろうか。他人の目には。』 先程の疑問をもう一度己に問うてみる・・・ 『妖艶な女だろうか。淫乱な女か。 美しい姿か醜い姿か。』 目の前の影見（かがみ）がその問いに答えてくれた・・・ 「綺麗だ・・・」と 我ながら、そう思った。 愛する人に抱かれるその姿は自分でも美しいと・・・ 幸せそうに彼の愛撫を受ける己の姿が恥ずかしくもあり、愛おしくもあった。 「かごめ・・・入れるぞ・・・」 背中に押し付けられる硬いものは猛々しくかごめを求めていた。 裾から捲り上げられ一気に挿入される・・・ 「あっ、ぃやー」 繋がっている・・・突き上げられる・・・こみ上げる・・・ 己の欲望が「もっと・・・もっと・・・」と欲していた。 他の誰でもない、赤裸々な己自身に見られている事に快感が刺激されたのか、今宵の かごめはいつもより激しく締め付け、俺のものを求めてくる・・・ 下方での快感と視界に訴えるかごめの妖艶な姿に、犬夜叉は絶頂に昇りつめようとし ていた・・・ 「あ、あ・・・・ぃ、く・・・」 かごめの嬌声は湯煙に揺られ、岩場を流れる川のせせらぎの音にかき消されていった ・・・ |
＜ナオミM様コメント ＞ もったいなくも拙宅の裏企画「星空の誘惑の続きを妄想しよう！」という「星 空企画」に文豪かりんさんから投稿いただきました。 「星空の誘惑」→「視線」→「影見（かがみ）」 のまたまたリレー合作のような形で私にとっても思い出深い作品です。 かりんさんの妖艶なかごめちゃん、男っぽい犬君の続きを書かせていただくこ とは、私にとってプレッシャーでもあり、快感でもありました(笑） だって・・・あの「かりん犬」を好きにできるんだものvvv 書いててとっても楽しかったです。 またこのような機会がございましたら是非是非ご一緒させてくださいませ^^ ＜管理人コメント＞ ぶんごーだなんてとんでもございません(^^ゞ; ナオミMさんが、妄想しやすいお話を書いてくださったので楽しく続きを書くことが出来ました。さらに続きの第二ラウンドまで書いてくださって(*^^*) 露天風呂で誰かに見られながら大胆に…も刺激的ですが、やっぱり旅先の宿の部屋で乱れた浴衣のまま…(≧▽≦)も捨てがたいですから、おかげさまで両方楽しめて読者様にも大満足の贅沢な仕上がりになってるかと思います(*^^*) ナオミMさんありがとうございました〜ｖ またの機会がありましたら、よろしくお願いいたします＾＾ |