丸いトップ窓から上弦の三日月が見える・・・

柔らかなカーテンから差し込む光が、猫足のサイドテーブルの上におかれたワイング
ラスを通じて赤紫に輝いていた。

ステンドグラスがはめ込まれたドアを開けて、リビングに戻った。

バスローブ一枚羽織ったままの姿でソファーまで抱きかかえて運ばれる。

犬夜叉の胸は広くて温かくて、その上腕は逞しくて、いつも包み込まれるような安心
と幸せ。

ずっとこのままこの人の胸に守られていたい・・・

犬夜叉に抱かれる度にかごめはこの上ない幸福感に満たされる。

ソファーに座らせるとまるで女王様のように恭しく口付けられた。

シープスキンの少しひんやりした柔らかい感触が火照った身体に心地よい。

そのまま、身体を重ねるように押し倒されそうになった。

「ちょ、ちょっと、待って・・・」

「待てねぇ。」

「やだ・・・また・・・する、の・・・？」

「おめぇがこんなだから・・・いけねぇんだ。」

「・・・わかったから・・・寝室で・・・」

「ん、ったく、世話がやけるなぁ。」

「お願い・・・先に行ってて。」

かごめはバッグから小さな包みを取り出し、そっと忍ばせて寝室に向かった。

真綿のように真っ白なシーツが皺一つなく整えられた大きなベッド・・・

そこにうっぷせたまま横になる犬夜叉の姿は、ややもすれば拗ねているようにも見え
る。

「おっせぇーぞ。」

「だって・・・いろいろあるのよ・・・」

かごめはバッグから持ち出した小さな包みをそっと枕の下に忍ばせた。

「だから、もう我慢できねぇっていってるだろ。」

犬夜叉は荒々しく激しくかごめの覆いかぶさり全身くまなく口付けの雨を降らせた・
・・

瞼に、耳たぶに、首筋に、鎖骨に・・・

瞬く間にあちこちに赤い花弁が散りばめられた。

「やだ、犬夜叉―。くすぐったいよぉ・・・」

「くすぐったい？それだけじゃねぇだろ？」

そしてかごめの豊かな胸の先端にあるピンクの蕾を舌先でついばむと顔を埋めた・・
・

「あ、ん。」

感じる所はすべて犬夜叉に悟られている。

かごめは恍惚に眼を閉じた・・・

「かごめは俺のものだ。」

己に翻弄され、時折切なげに漏れる喘ぎ声に例えようのない征服感に満たされる。

それでも、愛しても愛しても愛し足りない・・・

また新たな征服の印を残さんと犬夜叉は自身を一段と熱くしていた。

「かごめ・・・」

腹部に当たるものはますますその主張を高めていた。

犬夜叉の左手が秘部をまさぐる・・・

羽織られたバスローブはとっくに肌蹴てしまっていたが、下着を何も着けていないそ
の部分だけはかろうじて袷られていた。

まさぐる掌によって露にされた花園は既に蜜が溢れ、犬夜叉を欲していた。

「あん・・・」

感じる部分に触れられて思わず声が漏れる・・・

「かごめ、ここか？」

「あぁ、ん。だめ、よ。」

「駄目？なのか？」

「ちょ、ちょっと、待って・・・」

本当はかごめも犬夜叉が欲しかった。すぐにでも・・・もう、限界だった。

でも・・・

理性が官能に溺れそうになる自我を制御する・・・

排卵日・・・

そう、いわゆる危険日・・・

本当は犬夜叉を感じたい。

犬夜叉のものを私の中で受け止めたいーー

でも、この日にこのままの彼を受け入れるわけには行かなかった。

おずおずと枕の下の包みを差し出した。

「お願い・・・犬夜叉。」

「今日も着けんのか？」

「だって・・・」

「しょうがねぇなぁ。」

とそのとき、犬夜叉が何かを閃いた悪戯っ子のように微笑んだ。

「かごめ・・・着けてくれ・・・」

「え？」

「だから、お前が、ここに・・・」

隆々と天を仰いで主張する自身を指差して犬夜叉がニヤリとした。

「え、どうやって、着けるの・・・」

「だから、こうやって・・・」

犬夜叉はかごめに手を添えると己自身に導いた。

幾度身体を重ねても、猛々しいその象徴はかごめの眼に慣れることはない。

いつも違和感があって、それなのにどこか憎めない可愛さを持ち合わせたようで、恥
ずかしさの中にも実はほんの少しだけ興味があるその存在・・・

犬夜叉の手に導かれるままに少しだけ触れてみた。

ビクンといっそう大きく勃ち上がったような気がした。

「いつもこんなのが入ってるの・・・？」

あたらためてみると、驚いてしまう。

と同時に身体の心から電流が走ったような欲望が込み上げてきた。

秘所がしっとりと濡れてくるようなもどかしさ・・・

「やだ、私・・・でも、犬夜叉が、欲しい・・・」

「くっ、かごめ・・・早くしねぇと、きついんだが・・・」

無意識のうちに握り締めていたようで、犬夜叉が熱っぽい、苦しげな表情で訴えてい
る。

「先をつまんで・・・こうだっけ？」

薄いゴムを傷つけないようにそっと大きくなったものを包み込んだ。

そっとそっと、少しづつ、包んでいくように・・・

「くぁ、か、ごめ・・・やめろー」

「だって、ちゃんとつけなきゃ、」

先端から根元の部分へ・・・撫でるようなかごめの愛撫に犬夜叉のものは爆発寸前
だった。

「出来たー！」

無邪気に歓声をあげる。

ゴムに包まれた丸くて艶やかなその表面はまるで、そう・・・チェリー・・・

さくらんぼをブランデーにつけたほろ苦い大人のお菓子・・・

　　　　　　　‘チェリーボンボン’

「この野郎、待たせやがって。」

さっきまで弄ばれていた上下が一瞬にして逆転した。

「ひゃぁー、あ、ん」

待たされた欲望をさらに激しく、挿入されて一気に突き上げられた。

「やっ、あぁーー」

弾ける大人の魅惑に上りつめたかごめは、今宵ようやく開放されることになる・・・

＜ナオミＭさんのコメント＞

前編の花梨さんに官能的な美麗文・・・
そして、ハナコさんの美しいイラストに溺れてしまって、執筆が遅くなりました。
（←言い訳^^；）
「続きを書かせていただきます。」と宣言しながらもう何ヶ月（滝汗）
皆様、覚えていてくださっておりますでしょうか？

今回は前編で花梨さんが「ゼリービーンズ」をいうテーマでお書きになったので、
後編は「チェリーボンボン」という邪なタイトルを付けさせていただきました^^
ビターチョコに彩られたブランデー付けのダークチェリー・・・
まさに‘大人の美味’ですねv（邪笑）
今回も偉大なお二人に支えられての楽しい合作となりましたことを感謝いたします。

ありがとうございました。







＜管理人コメント＞

はーれくいんの２があまりにもいいところで終ってましたので、ぜひ続きを書かせていただきたいと思い、でもナオミＭさんのゴージャスな寝室の描写も読みたい！ということでこのように（前後編）なりました。
ナオミＭさんは山の手のマダムですので、高級感溢れる描写はお得意なのです(*^^*)。
そして期待どおりの素晴らしい寝室での行為を書いて下さいましたｖｖ

ゼリー･ビーンズの続きがチェリーボンボン。なんて素適なセンスなんでしょう＾＾。
さらに官能的な文章ｖｖ
(*^^*)リアルに妄想してしまいましたｖｖ


ハナコさんは、前後編ともに「一番萌え」だったシーンを描いてくださったそうですｖ
やってる事は大胆なのにほんのりと頬を染めてる犬君の表情いいですね。かごめちゃんの恥らう様子も可愛らしいです(*^^*)。


ナオミＭさん、ハナコさん、素適な作品ありがとうございました(*^^*)。








ハナコさんのイラストサイト「hana☆GALLERY」さま
ナオミＭさんの小説サイト「新月のまどろみ」さま

どちらも犬リンク１から飛んでいけます。^^