「貴様、よくのこのこと此処に顔が出せたものだな。」

「けっ、来たくて来たんじゃねぇ。あいつが・・・」

彼が視線を移した先には地味ではあるが清楚な装いが美しいかごめを連れて、取引先
の重役達に挨拶をしてまわる冥加の姿があった。

３日前・・・

街のチンピラ達と大格闘劇の末、警察のお世話になった犬夜叉を迎えに来たのは冥加
だった。

幼少の頃に父を亡くし、たった一人の身内である母もなくした犬夜叉に何かと世話を
やき、面倒を見てくれた冥加が、身元引受人になることの条件とは・・・

明後日に行われる会社創立五十周年パーティーに出席すること。

その席では二代目社長になる腹違いの兄殺生丸の紹介と、犬夜叉常務の就任発表がさ
れる予定であった。

「犬夜叉様、もう子供ではないのですから、いい加減に逃げ回るのはおやめください
ませ。

　殺生丸様も言葉ではあのように辛く当たりますが、犬夜叉様の力量は認めておられ
ます。

　明後日のパーティーにはなんとしても出席いただかねば、この冥加お父上に申し訳
が立ちません。」

「わかったよ。出りゃーいいんだろ、出てやるよ。」

「いえ、出席するだけではございませんよ。

　今回は常務取締役職の就任でございますから、殺生丸様と力をあわせて会社を盛り
立てていくことを誓約していただかねばなりません。

　犬夜叉様が思いを寄せておられる女子大生かごめ様のことは、この冥加も存じ上げ
ております。

　この際常務職をお引き受けになり、かごめ様と身を固めることをお約束になれば、
一石二鳥でございましょう。」

急にかごめの名前を出されて、犬夜叉が焦った。

「な、なんでぃ。か、かごめと身を固めるだとー！」

突っ張ってはいても心はまだまだ従順な青年である。

頬を赤らめ、必死に弁解しようとする犬夜叉を見て、冥加は少し苛めたくなった。

「犬夜叉様のタキシード姿はさぞかし凛々しゅうございましょうなぁ・・・

そのような犬夜叉様をご覧になったら、かごめ様はどんなに思われるでしょうか？

『かっこいいーー！！私をお嫁さんにしてぇ〜』と抱きつかれるやもしれません
よ。」

ニヤニヤ笑う冥加に「けっ！」とそっぽを向きながらもまんざらでもない様子の犬夜
叉だった・・・

パーティ当日・・・

いつもとは違う正装したかごめの美しさにどぎまぎして、ソファーで一人水割りグラ
スを傾ける犬夜叉。

そこへワインを片手に現れた殺生丸も「キャー！殺生丸様だわー」という黄色い歓声
から逃げてきたようであった。

この二人・・・

口を開けば悪態をついてばかりではあるが、案外似たもの同志なのかもしれぬ・・・

ともあれ、会社創立五十周年＆殺生丸新社長と犬夜叉常務のお披露目＆犬夜叉とかご
めの婚約パーティーは滞りなく宴たけなわとなって行った。

文：なおみママ

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このたび、ハナコさんとなおみママさんと私の三人で合作をさせて頂きました。

チャットで「はーれくいん風の犬夜叉もいいねえ」という話から「タキシード着た犬兄弟が見たい！」という話になって私とハナコさんで絵を描いてそれになおみママさんがショートショートをつけてくれる事になりました。それで出来上がったのがこの作品です〜。

最初に私が朔犬君を描きまして、ハナコさんが殺生丸様と背景を描いてくださいました。大人っぽい殺生丸様にタキシードがよくお似合いですｖｖ背景のシャンデリアなど、パーティー会場の雰囲気を素適に出してくださいました。

絵にあわせてなおみママさんが付けてくださったショートショートはいかにもはーれくいんで兄弟対決になるかと思いきや、さりげなくロマンスも織り込んでくださいましたｖｖ
女子大生のかごちゃんのシンデレラストーリーみたいですねｖｖ

楽しい経験が出来ました。
ハナコさん、なおみママさん、ありがとうございました。(*＾＾*)

サイトUPの為縮小したら少し絵が荒れてしまいまして、ほんとは殺生丸さまももっともっと綺麗だったのですよ〜。お見せできなくて残念です。
とりあえず、朔犬君の元絵です→◆


ハナコさんの「hana☆GALLERY」さま
なおみママさんの「新月のまどろみ」さまには
犬リンクのページから飛んでいけますｖ

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